途中までは読んでいた「館」シリーズの最新作『奇面館の殺人』(綾辻行人 著、講談社文庫)を読みました。本格ミステリというか、事件の舞台となる建物の見取図を見る(あら探しをする)のが好きなんです。で、本文に入る前に奇面館平面図を眺め…。あらっ、本館と別館とを結ぶ二つの渡り廊下のうち、一つは階段なのにもう一つにはありません。他に階段はないし、これは単なる図面上の抜けなのか、ひょっとしてこれ自体がトリックなのか、まさか空間がねじれてました、というSF的なオチじゃないよねと心配しながら読み始め、90ページ近くで、ようやくもう一つの渡り廊下はスロープだと判明しました。あー、スロープの表現はしないのね。以上、本筋とは一切関係ありませんので、ご安心下さい。